《MUMEI》
のうみその裏側に
  居る、みんなが
正平は辛うじて動かせるようになった、視覚を働かせ白いヒトでないものを追った。

感覚を思い出せ、体は記憶しているはずだ、奥底にあるものを引っ張り出せ。

周りには数えただけでも十はいた、その中から探すのは指南の技だ。
きっと姿形が確認できるようになれば解るはずだ、正平はポケットにある昌の鈴を握りしめた。

そうか、歩くんじゃない、一体になるんだった。
こんなに温かい世界をどうして恐れていたのか、不思議だった。

と、同時に昌もこの世界の一部になったんだと理解した。

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