《MUMEI》

『ありがとう、皆のお陰よ…本当に…皆が、神野先生とあたしを、応援してくれたから…』


『とんでもない!杳子は、幸せになるべきなのよ。』


『そうよ、苦労して来たんだもの…』


…そう、私は…今までは幸せなんて、縁がないと思ってた。


身寄りが無くて、孤児院で育った私には、奨学金を貰って高校に通っている事すら、夢みたいな事なのに…


今、こんなにも大きな幸せを捕まえようとしている…


『憧れの〜神野 光司(かみの こうじ)先生を取られたのは、ショックだけどさ。』


『杳子と本当に、愛しあってるって、分かってたもんね〜お互いに見る目が違ってたもの…』

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