《MUMEI》 兼松が泊まる"菖蒲の間"は18畳の和室が一間… 床の間には趣きある鶯の掛軸が客人を迎え、その下には重厚な香炉が鎮座している。 丹念に磨かれた座卓には、豪華な巻絵の施された茶櫃と、名産品の新茶が備えられていた。 窓辺から見下ろせば渓流のせせらぎが旅人の疲れを癒し、見上げれば萌えるような秋の野山に心圧倒される…。 伝統のある旅館の風情を漂わせた、落ち着きのある客間だった。 そして和室の奥… 槌立てで仕切られた一角には、既に床が敷かれていた…。 その床は一つだけだったが、枕は何故か二つ並べられていた…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |