《MUMEI》

念のため、町に通じる山道の入口まで送っていって…それから大急ぎで、元来た道を引き返したんです。


二時間も約束の時間に遅れてしまい…夏の日はとっぷりと暮れて〜それでも学園長室のドアを叩き…後は知っての通り…


『だから、あの紫の服の似合う少女に、聞いて貰えば〜私のアリバイに…』


『紫の服の娘ね…良くもまあ、そんな単純な言い逃れを。』


『最初は、君の言う通りを〜裏付け捜査したんだがね…

一切〜目撃者無し、証拠なし…その時間そこに少女のいた形跡は全くない。』
刑事が、冷たく言い放った。


…そんな…バカな…


そんな…バ・カ・な…


《学園長絞殺事件の公判始まる》


《検事〜弁護側の主張をことごとく粉砕!》


《判決の日迫る!》

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