《MUMEI》

「賢ちゃん……。」


颯ちゃんと別れて一人で帰路を歩行中、
居ても経ってもいられなくて賢ちゃんに電話していた。


「なんだよ。」


電話ごしの賢ちゃんの声は、
怒っていた。


当然だ。


せっかくの忠告を無視したのだから。


「俺の言った通りに何でしなかったん?」


「ごめん……。」


「ごめんやあらへんやろ!!

俺は颯ちゃんや蓮翔ちゃんなんかのために日本に戻って来たんちゃうで!!」


「……うん。

分かってる。」


「せやったらいい加減俺に構うの止めてくれんかいな?」


「……え……。」


「俺はなあ、アンタらよりもサッカーが大事なんや。

いつまでも友達だの、友情たの、アホ臭くて堪らんわ。」


「そんな……。」


「分かったか?

分かったらもう二度と俺に構わんで。

マジうっとうしいねん。」


「そんな!!

待ってよ賢ちゃ……。」


ツーーツーーツーー………。


そんな………。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫