《MUMEI》

しかし雪耶の方は顎が外れるほど、驚いていた。


檜泉は抱き寄せた雹里の顎を軽く持ち上げた。


「ヒョーリちゃん、俺の女にならない?」


「??」


雹里は良く分からず、目をぱちくりさせ首を傾げた。


檜泉は軽く微笑んだ。


「そんなのお兄ちゃんは絶対に許しません!!」


雪耶は素早く大事な妹を、檜泉から放した。

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