《MUMEI》

「そうなんですね──」

うん、と頷かれ、アンリ様は続けます。

「それに、楽しいから」

「それは何よりです」

「リュートは海、好き?」

「はい。ですが──」

「?」

「貴女様の方が」

僕が言うと、アンリ様の頬が、うっすらと染まりました。

「───────」

それから、にっこりと──眩しい程の笑顔を見せて下さいました。

「ぁ、また晴れてきたね──」

「はい」

どうやら──夏の陽気が、再び戻ってきたようです。

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