《MUMEI》

キラキラと光が反射して輝く水面。

向こうの方では、小さな魚が跳ねています。

「ぁ‥!」

「アンリ様?」

「イルカっ」

「‥イルカ‥?」

「あそこ、ほら──」

「あの生き物‥ですか?」

「うんっ」

「───────」

大きさからすると、まだ子どものようです。

「可愛らしいですね──」

「私はまだ見た事ないけど、白いイルカもいるんだって」

「そうなんですか──」

「うん、だから──いつか見てみたいなぁって」

「見せて差し上げますよ」

「本当っ?」

「はい」

いつか、必ず──。

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