《MUMEI》

俺は乱暴に携帯電話の電源を切った。


クソっ!!


何なん!!


忠告したやんか!


俺はこんないざこざに巻き込まれるなんて堪らんで。


俺はサッカーの大会のために戻って来たんや!!


あんな奴等ほたっとけばえぇねん!!


「賢史〜!?

休憩終わってるぞ?」


「え?

ああ、すまんすまん。」


練習時間まで奪われて堪るか!!


「誰今の?」


「ん?」


「今の電話!彼女?」


「ちゃうわ!!」


「え〜?」


怪しげに睨んでくるチームメイトに、
俺は冷たく言い放った。


「間違い電話や。」


そう言って、サッカーグランドへ駆けて行った。

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