《MUMEI》

薄暗い家の中、
一人呆然としていた。


バラバラだ。


俺達の“絆”ってそんなものだったのか?


こんなに脆いものだったのか?


いや、そもそも俺達に“絆”なんてあったのか?


一体……何処で間違えたんだ?


どうすれば良かったんだ?


言い様も無い不安に駆られて、


「わああぁぁ!!!!!!!」


絶叫してしまった。


壊れたよ。


まるで脆い玩具みたいに。


壊れちゃったよ。


その時、けたたましく着信音が鳴り響いた。


「はい……。」


「蓮翔?

大丈夫か?何かあったのか?」


「……豪田?」


「ああ!

どうしたんだ?」


「何でもない。

今行く。」


もう練習の時間だったのか。

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