《MUMEI》

「いいお天気だよね」

「はい、本当に──、! ‥大丈夫ですか‥?」

「うん、ちょっと疲れちゃっただけ‥」

「一度──中に入りましょう」

「そうだね、ずっと外に居続けてたから‥」

「何か──冷たい物でも御作りしましょうか」

「うん、レモンスカッシュが飲みたいな──」

「畏まりました」

御邸に戻り、アンリ様にソファで御待ち頂いて──僕はキッチンでレモンスカッシュを作りました。

「──どうぞ」

「ありがとう」

グラスを受け取られたアンリ様は、ほんの少しだけ御元気になられたように見えました。

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