《MUMEI》 僕がアンリ様に御出ししたのは、オレンジのシャーベット。 レモンの物もあったのですが──先程レモンスカッシュを御出ししたばかりだったので。 先程から、アンリ様はシャーベットの器を片手に、何やら御考えになられているようなのですが──‥如何なされたのでしょうか‥。 「はい、リュートも食べない?」 「──ぇ」 アンリ様が、シャーベットを掬ったスプーンを差し出してこられて‥僕は思わず固まってしまいました。 「あの‥、アンリ様──」 「?」 「その‥、貴女様のものを頂く訳には──」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |