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《MUMEI》 軽く口を開くと、スプーンが滑り込んで来ました。 「ね、美味しいでしょ」 「───────」 甘酸っぱさと冷たさと、シャリシャリと心地よい音。 「もう一口食べる？」 いえ、と応える暇は無く、スプーンが口元に差し出されたので、僕は再び口を開けました。 アンリ様は嬉しそうに、また僕の口にシャーベットを入れて下さいました。 「ふふっ、何か楽しいね」 本当に、楽しげな笑顔。 食べさせて頂くのは、ちょっぴり気恥ずかしいですが──、やはり嬉しいです。 前へ |次へ |
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