《MUMEI》

『わあ、あなた黒くなったわねぇ』


『ああ、やだやだ!夏休みのど真ん中に登校日だなんて〜』


『良いじゃないの、あと半月休みよ。』


『それより…ね、聞いた?』


『うん、神野先生〜死刑ですってね、とてもそんな人に、見えなかったけど…』


『人間って、わかんないものよ。』


『でも〜憧れてたんだわ〜、私。』


『しっ!真柴 杳子よ!』


『よく、しゃあしゃあと学校へ来れるわね』

『人殺しの片割れの癖に!』


悪意に満ちた、会話が杳子の耳に響く。


『フン、良い気味よ!神野先生を独り占めして、いい気になってるからよ。

お陰で、あたし達は毒牙にかからなくて、助かったけど…』


『あの人、孤児でしょ?類は友を呼ぶ…よ。』

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