《MUMEI》

旦那「俺はさ、家族捨てて、茜と一緒になったんだ」
「子供も居たのにな…」

「家も、渡したし、養育費も、払ってる」

「俺の義務だし、けじめだからな…」

「茜に、贅沢させられないのは、申し訳ないが」
「茜は、付いてきてくれた」

「俺、散々、茜に酷い事したんだ」
「性欲の捌け口と言っても過言じゃないぐらいに…」
「俺の見てる前で、他の男に抱かせた事もある」

麻美「!…」

エリ「!…」

旦那「けどな…」
「茜とは、不倫だ、」
「身体の付き合いだ」
「そう、自分に言い聞かせる為に、茜に辛い思いをさせてたんだ…」

「他の女抱いても、何をしても、考えるのは、茜の事ばかりだった…」

「自分で捨てといて、茜に復縁せまったんだよ、俺」
「…」

「そのとき、茜は、優斗君と、付き合っててな」

俺「……」

旦那「彼が、…優斗君が、茜の傷を埋めてくれてたんだ…」

「だから、こうして、優斗君が目の前に居ても」

「まぁ、平気なのかなぁ」
茜「ホントにへーき?」

あっ、悪魔の笑顔だ… 

旦那「茜がその顔するときは、企みあるんだよな…」
困り顔で、旦那さん、俺に
旦那「な、優斗君」

俺「えっ!…はぁ…そうかも…」

曖昧な返事をした

旦那「麻美ちゃんの前じゃ、答えにくいか」

笑いながら言った

麻美「私は、…へーきじゃないですけど、…優斗は、そういった事に、敏感だから、…わかってると思いますよ」

旦那「うん、そうだろうな」

茜「何、かっこつけてるのよ、散々、嫉妬したくせに」

旦那「はははっ、だから、子宝に恵まれたのかもな」
「嫉妬はしたさ、けど、感謝もしてる」
「複雑な心境だよ」

旦那さんが俺を見た

旦那「俺にしてみれば、茜が暴漢に襲われた方が、気が楽かな…」

「壊れた、茜の心を…」
「不感症になった、茜の身体を…」
「こんな、若い男が、治したなんて…」
「ふぅ………」
「腹立つよなぁ」

また、俺を見た

俺、挙動不審になってる

茜「いじめないでよ、優斗、困ってるじゃない」

旦那「こんぐらい、嫌味言わせろゃ」

笑いながら言う、
その、顔つきは、皮肉った感情は見られなかった

大人?なのか…

今の、俺には、わからない…

どうしたら、そんなに、ゆとりが持てるんだろう

茜「麻美、参考になった?」

麻美「…はい」

茜「もう一つ、私からね」「前に聞かれた答え…」

麻美「いいです、わかりますから」

茜「ダメよ、聞きなさい」
麻美「嫌です」

エリ「なぁに?」

茜「麻美に聞かれたの、優斗の事好きだったのかって」

エリ「そりゃ、好きだったんでしょ」

茜「あら、わかる?」

エリ「わかり、ますよ、私だって、昔…」

麻美「聞きたくありません、何も聞こえません」

旦那さんがわらった

旦那「優斗、モテモテだなぁ」

…呼び捨てになってるし…

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