《MUMEI》 御戻りになられてから、ずっと── 「───────」 アンリ様は、何やら物思いに耽って居られます。 「如何なされました‥? アンリ様‥」 「お日様みたいだよね、向日葵って──」 「そうですね」 「ねぇ、もう一度──見に行ってもいい?」 「はい、では──」 僕が言い終わる前に、アンリ様は既に僕を引っ張り、駆け出されていました。 扉が開くと同時に、眩しい光が目に飛び込んで来て──それは直ぐに、鮮やかな夏の色に変わりました。 前へ |次へ |
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