《MUMEI》

「向日葵はね、枯れた後の花から種が採れるの」

「そうなんですか──」

「向日葵の種って、ハムスターが好きなんだよ」

「ハムスター‥」

「モルモットに似てるかな──。小さくてね、凄く可愛いの」

「御世話、されていたり──したんですか?」

「うん。前に、飼ってた事があったんだけどね、────」

「‥ぁ‥、済みません‥」

どうやら僕は、いけない事に触れてしまったようです──‥。

「アンリ様、本当に‥」

「ううん」

アンリ様は優しい表情をされていました。

そして、向日葵の花びらに、そっと手を触れられました。

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