《MUMEI》

『さて…悲、何から話そうかな?』
死神は…腕を顎にあてて、考えていた。


『親父…』
烈火が口を開いた。


『俺が、連れて行く間に、話すよ。』


『…ふむ、大丈夫か?お前は、私情に走るからな…。解っておるだろうな?』


『ああ、解ってるよ、悔しいけど…な。』


『ならば…儂は何も言わんよ、早く連れて行け!』


『ああ、悲!今から〜お前を、ある場所へ連れて行く。お前は、そこで、ある人と会わなきゃならない。』


『え?何、突然?』
悲は、訳が解らず、烈火の顔を眺め、戸惑っている。


グイッ!
『つべこべ言わずに、さあ〜行くぞ!』
悲を肩を抱き寄せ、二人は足元の影に、吸い込まれて…消えた。

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