《MUMEI》

『ちょっ…離しなさいよ!』
悲は叫んだ。


『離して良いのか?今〜離したら、お前は闇の中をさ迷う事になるぞ!』


『うっ…それは嫌です。』


『なら、俺に掴まってろ。もうすぐ目的地に到着するから…』
余裕の笑みを浮かべ、悲を抱き締める手を強めた。


『ちょっと、そんな…くっつかないでよ!もう…』


『この位のご褒美をくれても良いだろう?役得、役得!ヘラッ…』


…もう〜この男は、真面目なんだか、不真面目なんだか…?だいたい、私が、誰と会わなきゃいけないの?訳分からない。


『さて…そろそろ着くぞ!』


周りの闇が〜足元から明るい光に包まれた。


全てが光に包まれた後〜徐々に光が消えていき、周りが見えてきた。

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