《MUMEI》

「ナイスパス!!」


恭介のパスは、


クロに渡る。


(ダメだ…!!速い…!!)


必死で走る日高だが、


スタートの時点で遅れをとっていた為追い付けない。


「1人!!」


クロの前に立ちはだかる者はいなかった…










たった…










1人を除いて…








「バシッ!!」







(なっ…!!)


「ばっ…か!!」


クロのシュートを、


村木が止める。


「ナイスキー!!」


ここで村木が止めたのは大きかった。


「キー!!!!」


シュートを打ち終えたクロが急いで戻る。


靴の擦れる音が体育館に響いた。


が、


「1枚少ないぞ!!」


クロの空いた穴を攻める日高。


当然詰める猪狩。


ここで猪狩と翔太との間が広がるが、


日高には見えていなかった。


いや、


始めからパスをする気などなかった。


左サイドの日高の隣は、


左45のユキヒロ。


絶不調のユキヒロに、


大事な場面でパスをする気など毛頭なかったのだ。


「キーパー!!」


サイドから飛ぶ日高。


若干だが、


そのスペースは猪狩に詰められていた。


しかし、


サイドシュートを打つには十分なスペースだった。


「ナイッシュー!!」


日高のシュートが決まる。


6対2。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫