《MUMEI》

ミシュという名は使わない。

兵士、ましてや生物兵器にそのようなモノは不要である……

お爺さんが死んでからの僕のシリアルナンバーは[B−013]そう呼ばれている。


僕等、生物兵器は一貫してある特徴を持つ。

肩甲骨に赤黒い痣が相対して有していた。
つまり古来より奴隷とされた翼族の血族であるということである。

人間が武器を持つように僕等も一種の超能力に似た物を持ち合わせている。
それは、感情の爆発により変化し、時には人も殺す。

ただ、体力と精神の消費は尋常では無く、人を殺すのなら則ち自らも命を絶つこととなるだろう。
僕等は人の形をしたマウスだ。
首には逃げられないように小型爆弾を、体は限界を測るためにプラグやコードに塗れ、翼族として貶られプライドも棄てた。

横で、死んでいく姿を幾人も見た。
過酷な実験は、精神を狂わせる、僕がこれまで生きてこれたのはあいつへの憎しみのお陰だ。

この機密プログラム、『巨神』特殊部隊[神軍]の指導者であり、殺人鬼……僕の敵であり上司であるロスト神軍大佐。

僕は奴によって生かされ奴を殺す為に配下になった、いつでも奴の心臓を刔ってやる覚悟だ。その為なら人殺しの兵器にだってなってやる。
僕にはあの地下しか無かったのに、それを奪い、軍の兵器として捕獲し利用した。それなら、僕も奴を殺すために利用してやる。
少しだが、力の制御が出来てきた。
僕は兵士としても兵器としても劣っている、今まで生き残れたのは生への執着が強かったからだ。

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