《MUMEI》

「ふふっ──やっぱり可愛いね、リス」

「あの栗鼠は‥何かしていたのでしょうかね──」

「うーん‥、ドングリを埋めてたのかな」

「ドングリを?」

「うん、そうやって──冬に備えて食べ物を集めてるんじゃないかな」

「成程──」

そう言った途端、風が出てきました。

「ちょっと冷えてきたね‥」

「戻りましょうか、御風邪を召されては大変ですから──」

御邸に戻ると、紅茶の時間がもうすぐだったので──キッチンに向かいました。

「‥ぁ‥」

そこで、ケーキの支度が途中だった事を思い出したんです。

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