《MUMEI》

色々とお手伝い頂いて──紅茶の時間に間に合わせる事が出来ました。

「このお皿、運んでおくね」

アンリ様は次々と、僕がする事が無くなる程に動いてらっしゃいます。

「アンリ様、後は僕が──」

「大丈夫だよ、もう元気だから」

「───────」

「これも運んでいい?」

「‥はい──」

アンリ様、本当に御元気になられたのですね──。

こうしてはいられません。

僕も頑張らなくては。

紅茶のセットを乗せたワゴンを押して、広間に向かいました。

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