《MUMEI》

「みんなを守るための力?」


「そうだよ」


檜泉は雹里の顎をくいっと上に持ち上げ、自分の顔を近づけさせた。


"コンコン"


雹里は扉の方に顔を傾け、どうぞと言った。


檜泉は雹里から手を放した。


すると扉が開き、ルイスが入ってきた。


「あっ猊下、父上が呼んでいましたよ」


「クロディウスが?」


檜泉はベッドから立ち上がった。

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