《MUMEI》

支度が整い、いつものようにティータイムが始まったのですが──

「ねぇ‥」

「はい」

「何か‥聞こえない?」

「‥?」

耳をそばだてると、微かにカサコソと音が聞こえてきました。

「何でしょうか‥」

何かが広間を駆け回っているような。

「──ぁっ、カーテンの陰に隠れちゃった」

「見て来ますね」

僕は席から立ち上がって、窓辺へ向かいました。

カーテンの裏を、恐る恐る覗き込むと──‥

「‥ぇ」

そこに居たのは、あの栗鼠。

栗鼠は、カーテンにしがみつくようにして、眠り込んでいました。

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