《MUMEI》
白い病棟の個室のベッドに智子は上体を起こしている「待ってたのよ、、遅いわ。抱きしめて」
両手をアラタに伸ばす。
「御免、お母さん。」
それに応えるべくベッドに半身を乗せ、抱き寄せた。
安定剤で落ち着いている。華奢な体ではあったが抱きしめると以前より、一層痩せている。
腰近くまである髪はすっかり白くなっていた。
顔は実年齢よりかなり若い
「あら、智子さんお子さんが来てたんですね、良かったですね」
看護士がやってきた、アラタは医師に会う予定がある。
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