《MUMEI》

クロや猪狩たちが作戦を立てている間、


赤高も同じように作戦を立てていた。









「…厳しい点差だな。」


「どうする?」


悩む選手たち。


言うべきことはあったが、


誰も言葉にすることができなかった。


それを、


安本が言葉にした。


まだハンドボールのことをよく知らない安本が、


勇気を振り絞って言った言葉だった。


「…ユキヒロを交代しよう。」


「でもユキは…」


「いや、」


ユキヒロが口を開く。


「そうしよう。」


「え?」


「はっきり言って今の俺はゲームを壊してる…」


「…」


「…代わりは?」


「千秋で行こう。」


「お…、
俺すか!?」


「そうだ。」


「でも千秋は…」








そう、


千秋ではユキヒロとガタイが違いすぎる。


猪狩の突破に対抗できないのだ。







「…じゃあ突破を封じましょう。」


「どうやって?」


「それは…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫