《MUMEI》

「黒は魔王であることを表しているんです」


「そうなんだ」


「そうなんだって、貴様!舐めてるのか!」


「舐めてる?私は何に舐めていませんよ」


雹里はキョトンとした顔で言った。


ユリウスはそんな雹里に苛立ち、腰から剣を抜いた。


「婚約解消のため僕はお前を殺す!」


「ユリウス、待ちなさい!」


ユリウスはギシギシ鳴るほど噛み締めた。

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