《MUMEI》

暫くして目覚めた栗鼠は、マフィンに気が付くときょとんとしていましたが、そこにクルミが入っていると分かったのか、ほんの少し囓りました。

「わぁ、食べたっ」

アンリ様が、嬉しそうに仰いました。

栗鼠は、すっかり気に入った様子でマフィンを囓っています。

「ふふっ、可愛い」

「本当ですね──」

「‥ぁ、外に出たいみたい」

「そろそろ──御帰りのようですね」

窓を開けると、栗鼠は一瞬僕達を振り返り、外に飛び出して行きました。

「行っちゃったね──」

「また会えますよ、きっと」

突然に訪れた、小さなお客様。

それは、とても愛らしい栗鼠でした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫