《MUMEI》 暫くして目覚めた栗鼠は、マフィンに気が付くときょとんとしていましたが、そこにクルミが入っていると分かったのか、ほんの少し囓りました。 「わぁ、食べたっ」 アンリ様が、嬉しそうに仰いました。 栗鼠は、すっかり気に入った様子でマフィンを囓っています。 「ふふっ、可愛い」 「本当ですね──」 「‥ぁ、外に出たいみたい」 「そろそろ──御帰りのようですね」 窓を開けると、栗鼠は一瞬僕達を振り返り、外に飛び出して行きました。 「行っちゃったね──」 「また会えますよ、きっと」 突然に訪れた、小さなお客様。 それは、とても愛らしい栗鼠でした。 前へ |次へ |
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