《MUMEI》

きょとんとしている僕に、アンリ様は毛糸玉を示して

「これでね、リュートにいい物作ってあげようと思って」

そう仰られました。

それ以上は、秘密、とされましたので──僕はアンリ様が何を御作りになられるのかは分かりません。

ですが、毛糸で何かを編まれるようだという事は分かりました。

アンリ様は御裁縫が御得意でらっしゃいますが、編み物もそうなのでしょうか──。

アンリ様曰く、明日が僕の誕生日。

同時にその日は、僕達にとってとても大切な日でもあります。

ですから、待遠しいような、懐かしいような、色々な気持ちがしていました。

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