《MUMEI》

「クラウドです。」


「へー!

そうなんだ!!

シーフォード様に気に入られているみたいだけど、
何か訳あり?」


そう言うと、カインは両手を振って、


「べ、別に変な意味じゃ無いから!!」


慌てて言った。


「はい……。

なんか俺……。」


「うん?」


「この国の王家の者みたいで……。」


するとカインは驚いて身を引いた。


「ウソっ!?

遂に見つかったんだ!!」


そう言って、腕組みすると、嬉しそうに良かった良かった、
と何度も頷いている。


「あっ言いそびれた!

俺達も王家の者なんだー。」


シーフォードの隣りで、大きな滝を出現させている青年と、
自分を指差す。


「はぁ。そうなんですか。」


「うん!
これからまた会う機会があると思うけど、
宜しくな!!」


「はい。」


俺達が話している間に、
青年は成すべきことを終えたようだ。


こちらへ歩いてきた。


「あ、兄貴!!」

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