《MUMEI》 全てのキャンドルに火が灯り、暗くなった部屋で、僕がその光を吹き消すと──シャンデリアの明かりが戻りました。 そしてアンリ様はヴァイオリンで伴奏を奏で、バースデーソングを歌って下さったのです。 誕生日というものが、それを祝って頂けるというのが、こんなにも嬉しい事だとは──今まで知りませんでした。 「ケーキ、切ってあげるね」 アンリ様はひと切れ、大きめに切り取ったケーキを僕の御皿に乗せて下さいました。 グラスには葡萄ジュース。 そして──。 傍らには、飛び切りの笑顔。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |