《MUMEI》

グデングデンの俺は何だか丁寧に拭かれて制服を着せられて……抱き抱えあげられ保健室に運ばれた。


保健医の声、貢の声。
幾つかのやり取りの後ぴしゃりと仕切りのカーテンを引く音がして、
耳元に

「可愛いかったよ、また続きは夜にしようね」
「〜〜〜〜!!」


言い返したいのに声が出ない、体が動かない。悔しい思いをしながら、しかし俺の意識は更にゆっくりと遠のき…


眠ってしまった。





「佐伯朝は爽快な顔してたのにいきなりどうしたんだ?」
うってかわって元気いっぱいの日高が保健室の椅子にちょこんと座っている。
午後の授業全部潰して寝た割りにはまだまだ怠い。
「……日高こそ元気じゃん、まさか授業中寝てたとか?」
「まさか!寝る訳ねーじゃん、ただでさえ授業ついてくのやっとなのに絶対俺は寝ないよ」
「そうだな…ふあ〜…、日高飲み込み悪いもんな〜」

「悪かったな〜、つか俺らのクラスがおかしいんだ、皆頭良すぎだっつーんだ」
とか言いながら貢と共同でノート取ってくれていたのを俺に渡してくれた。
二人共、字がなぜかえらく上手い。
俺の書いたミミズの這った様なページの脇に綺麗な字が連なる。
「ありがとう」
「は〜、ダチだもん」
にっこり笑いながら俺の額を中指でツンツンする日高。
最近なんだか垢抜けてきた。
やっぱり恋していると身なりもきちんとしてくるというか…まあ、それだけじゃないんだろうけど。

「長沢今日役員会だから俺に聖の事送ってくれって頼んできたんだ」
「……そう」

「かばん持ってきたから、な、立てるか?」



普通に歩く位は回復していた俺。日高と久しぶりに帰り道を歩く。


「な〜。なんで日高元気なんだよ〜」
今にもスキップしそうな、軽やかなアシドリの日高。

「知りたい?」


「知りたいな…」

参考にしたい。


すると日高はふふっとはにかみながら携帯をポケットから出し、開いて見せてきた。

「………」

「………」

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