《MUMEI》

−−遠い昔。

全滅したとされていた、“狼男”の一族。
人間たちは、その生き残りが存在することに気づいていなかった…。



−−狼男の生き残り、咲(サク)は、森に姿を潜めながら18年間生き続けてきた。


孤独を愛する咲。


だがある日、偶然森に迷い込んだ人間のと恋に落ちる…。


2人が知り合って、1ヶ月後のことだった。



「…だめだ、やっぱり…きっと俺、自制がきかなくなる…っ」


辛そうに呻いた咲(サク)は、突然の上から退いた。

「待って咲!!俺…咲になら食べられてもいいからっ!!…だから、お願い…」


は、咲の腕をつかんで必死に懇願した。


「ば、バカ、そんなこと言うな…。止まらなく…っ、なる…」


興奮しているせいで、狼男の血を引いている咲の頭からは、黒い耳がのぞいていた。


−−今日は満月。
咲の性欲が最も強くなる日だった。


しかし咲には、を抱くことは出来ない。


狼男の血が騒いで…を愛しているのにも関わらず、その肉を、血を欲してしまうのだ。


今まで、人間どころか他人を好きになんかならなかった。


だからか、こんなに体が疼くのは初めてだった。

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