《MUMEI》 「アンリ様」 「?」 「僕は──御役に立てていますか」 「もちろん。私がこうして笑っていられるのは、リュートのお陰だよ」 「僕の‥?」 「うん。リュートが来てくれるまでは、私──笑わなくなってたから」 「そう‥なんですか‥?」 コクリ、とアンリ様は頷かれました。 「だからね、リュートが来てくれて、リュートが私の執事になってくれて──本当に良かった」 「不思議ですよね──」 「ん‥?」 「アンリ様は人間、僕はヴァンパイア。全く違う存在なのに──」 「だからこそ、じゃない?」 前へ |次へ |
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