《MUMEI》

「アンリ様」

「?」

「僕は──御役に立てていますか」

「もちろん。私がこうして笑っていられるのは、リュートのお陰だよ」

「僕の‥?」

「うん。リュートが来てくれるまでは、私──笑わなくなってたから」

「そう‥なんですか‥?」

コクリ、とアンリ様は頷かれました。

「だからね、リュートが来てくれて、リュートが私の執事になってくれて──本当に良かった」

「不思議ですよね──」

「ん‥?」

「アンリ様は人間、僕はヴァンパイア。全く違う存在なのに──」

「だからこそ、じゃない?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫