《MUMEI》

クロの掛け声とほぼ同時に、


猪狩チームの選手たちは自軍のコートへと走っていた。


しかしそれよりも、


誰よりも速くコートを駆け抜けていたのは、










「速攻!!」










関谷だった。


「1人だ!!」


パスを受け取る関谷。


前にはキーパーの恭介1人。


独走状態だった。


(決めろ!!)


(決めろよ!!)









「ナイッシュー!!」









沸き上がっていた歓声が、


一層盛り上がる。


赤高、


この日初めての速攻チャンスを、


見事に決める。


9対6。

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