《MUMEI》
とりあえず、…
「本当、か?」
「お、おう。つっ、つか、あんたのほうが…」
「え?」
ヤバッ。と思ったが、こうなったら仕方ない!
「あんたのほうがあたしのこと、嫌って…」
「すきだよ」
「へ?」
「俺はすきだよ。凪のこと」
一時、思考回路が停止した。
(あ、ああ。友達としてね…!!わっ、わかってるつっのそんなことっ)
「あ、ありがと…」
「ん。」
なんか、笑ってないか?こいつ。
「て、てかさ、そろそろ〜、腕、離してくんない?」
「…ツヤ」
「は?」
「カツヤって、呼ばねーの?」
「!」
「呼んだら、離してやるよ」
こっ、こいつ…
(やっぱムカツクーー!!!!)
「っ…か、カツ、ヤ」
「ん。」
ゆっくり手を話すカツヤ。
(なんだ、その顔)
まあ、とりあえず。
嫌われてなかったみたい。良かった。
その日から、あたしたちはまた昔みたいな幼なじみに戻った。
一緒に学校行ったり、
放課後ファミマで騒いだり、
夜家を抜け出してコンビニ行ったり、
メールや電話もたくさんするようになった。
めちゃめちゃ楽しかった。カツヤといることが、すごく楽しかった。
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