《MUMEI》
番外編
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ある日、私の前に不思議な人が現れた。

瞳も、髪も、闇みたいに黒くて、黒いスーツを着てた。

その人は、吸血鬼。

でも、恐くなんて全然ない。

凄く優しい。

だって、私の為に半分人間になってくれたんだもの。

私の側にいる為に。

それを知った時、凄く嬉しかった。

「──アンリ様、紅茶の支度が整いました」

ぁ‥、リュートが呼んでる。

「今行くね」

カーディガンを羽織って、扉を開ける。

そこには、見慣れた執事がいて──‥いつもと同じに、優しく微笑んでいた。

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