《MUMEI》

雅人「…冷蔵庫、開けるよ」
「えーとぉ」

「はい、みずき」
「はい、光」

精一杯、明るく、缶チューハイを渡して

雅人「ちゃんと話そう」

「…」

…俺だって、辛いのに…

雅人「光、質問に答えてくれ」

光「…」

雅人「そういう、趣味…前からか?」

光「…」

雅人「俺、個人の意見だけどな、」
「そんなに、異常とか、キモいとか、思わないんだ」
光「…」

雅人「一過性の物かもしれないし…」

光「…」

雅人「人を好きになる事は、悪い事じゃないだろ」

光「…」

段々イライラしてきた

雅人「ぐじぐじ、してんなよ!」
「俺だって、みずき、に振られたばっかりで、凹んでんだぞ!」

光「雅人はノーマルだから…」

雅人「バカ野郎!」
「ノーマルもくそもあるか!」
「人を好きになって、上手くいかなければ、同じだろがぁ…」

怒鳴ってしまった…

みずき「そうね…3人とも、振られたんだもんね…」
雅人「…」

そっか…みんな、同じなんだなぁ…

みずき「ここ、出なくちゃね…私…」

光「みずき、行くトコないじゃん…居なよ、しばらく」

みずき「…だって…」

光「今、戻ったら、ヤバいよ…」

みずき「…」

雅人「何かあったの?」

みずき「…」

雅人「ごめん、立ち入り過ぎた…」

光「みずき、の家、ゴタゴタしてんだ、」
「爺さん亡くなって、遺産相続で…」

みずき「…」

光「俺も経験あるけど…ほんと、醜いよ…」

みずき「…そうだね…」

光「みずき、実の兄に、襲われたんだ」

みずき「…」

光「もう、家族と呼べないよ…」

雅人「…」

みずき「…母親、違うからね…」

光「みずき、妾の子なんだ…」

雅人「光が守ってやらなきゃダメじゃないか」

光「…そうだけど…」

雅人「もし、ほっぽり出したら、俺、軽蔑するからな、お前の事」

光「…」

みずき「そうも、いかないょ」

雅人「何でだよ」

みずき「もう、恋人じゃないもん…」

雅人「同居になればいいじゃん」

みずき「…」

雅人「みずき、光の事、好きなんだろ、今でも」

みずき「うん…」

雅人「だったら、平気だろ、近くに居られるんだから、何かあったって、まぁ…OKじゃないかなぁ…」

みずき「…複雑だょ…それ…」

雅人「もし、光が、一過性だったとしたら、結果OKじゃない」

光「違ったら…」

雅人「そんときは、そんときだよ」

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