《MUMEI》
齋の告白
『悲…?』
齋の優しい声。


『今から…儂の話を聞いて欲しいんだえ。』


『うん…』
齋が、私の髪を撫でながら…話を始めた。


『儂は〜馬鹿だった。自分の気持ちに気付かずに…悲を苦しませた。』


『??』


『儂はな…若い頃から持病があってな…寿命が薄々分かっていたんだえ、

だから〜悲と知り合った時も…悲とも恋をする気持ちになれなかった。

だが〜振っても、冷たくしても悲は、諦めずに儂に、真っ直ぐに向かって来たんだえ。

愛しいと思った、気持ちに応えたいとも思った。しかし、いずれ、死に逝くこの身…悲を悲しませるだけと…

儂は〜気持ちを誤魔化した。諦めれば済むと…。それが、悲の為だと…。』


『齋…』

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