《MUMEI》
着物指導
(何か、本当に俺、毎日予定入ってるような…)


夏休みも始まったばかりだというのに、俺は既に疲れていた。


ハァ


ピンポーン


俺は、ため息をついて、ある屋敷のインターフォンを押した。


(本当に、名家のお屋敷って感じだな)


そこは、高山家より規模は小さかったが、いかにもな日本家屋だった。


《はい》

「あ、あの。小林君の紹介で来た田中と言いますが…あの…」


(本当に、妹弟子なんだろうな)


昨夜も電話で守に何回も確認したが、俺はまだ不安で、その名前をなかなか言え無かった。


《…あぁ。守様の紹介ですね》


(さ、様ぁ?)


年配の女性の言葉に俺は、かなり混乱していたが


《どうぞ。 お嬢様がお待ちです》

「…は、はい」


そのお嬢様は、時間にはうるさいと果穂さんの資料にあったから、俺はとりあえず門をくぐる事にした。


見上げると、表札には


『吉野』と書かれていた。

(まさか、守の妹弟子が…なあ…)


年配の女性


家政婦だと言う女性に付いていくと


確かに、そこには


着物が並べられた和室には、厳と頼の花嫁候補の吉野撫子が俺を待っていた。

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