《MUMEI》

[櫻視点]


蒼様のお話を聞いて、私はある事を思い出していました。


「どうした? 何か言えよ」

蒼様の口調は、期待と不安が入り混じったようなものでしたが


…この方のクセなのかしら?


その目は真っ直ぐに私を見つめていて


何故かしら?


気付いたら、私も蒼様から目を離せなくなっていました


…不思議な方…


「…おい?」

「あっ…」


そうでした


私は、思った事を正直に言おうと口を開きました


うまく…伝わるといいのですが


私は、蒼様のようにはきっと話せないし…

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