《MUMEI》 : : 『三光までありです。雨流れは無しで、手四、くっつき、場四もございません。』 〆華は淡々と勝負のルールを申し合わせた。 訛りというほどでは無いが、どこか京風のイントネーションを含んだその口調は、妙に兼松の下心を擽った。 ニタニタと薄ら笑いを浮かべる五十路男――… その胸中には、目の前の芸妓を嘲笑う、心の声があった。 (〆華が勝負というから思わず身構えたが… …何のことは無い…。 …只の花札「こいこい」だ。) 兼松は芸妓の説明を話半分に聞きながら、この後の情事に想いを馳ていた。 前へ |次へ |
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