《MUMEI》
悲の決意
どれ程の時が流れたのだろうか?


齋が…言葉を発してから…


2〜3分しか経ってないような…


何時間も経ったような…


この虚無の世界では…時間の流れもない。


ただあるのは…空白のみ…。


悲は………


深く息を吸い込み…


それをゆっくりと…


吐き出した…。


静かに悲は、齋の顔を見上げた。


『齋…私は、今でもあなたを…愛しています。どうか私を〜今宵、あなたの花嫁にして下さい。』


そう告げた、悲の顔は…今までの中で、一番美しく、光り輝いていた。


慈悲深き…女神のように…


齋は…そう思っていた。

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