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《MUMEI》 光は私を怯えなくなったし、私も私なりの生活を改築出来た。 私達、家族らしい家族ではなかったけれど、手を握りあえるくらいの親子だ。 ｢わかったわ。ぜーんぶ、この紙の書いてある名前の男のせいにしてしまいましょ。｣ ｢愛してた？｣ ｢彼氏がいるもの。｣ 確かに一時は私の方に振り向かせようとか、千歳と不倫したりとかしたけど過ぎた話、余計な気遣いは無用だ。 ｢彼氏かっこい？夜の帝王みたいな……｣ ｢それは貴方の恋人でしょう。もっと誠実だわ。｣ 久し振りの会話は親子というよりボケツッコミではなかろうか。 ｢国雄は誠実だよ、別れないから……。｣ ｢今まで積み上げてきたものを犠牲にしないって約束できる？｣ 光は欲しいものの為には博打打ちのように切り捨てるところがある。 光には諦めないで全てにおいて妥協せずにしがみついていて欲しい…… ｢できる。｣ 即答……、迷わず決断する潔さは隔世遺伝だ。 前へ |次へ |
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