《MUMEI》

俺は女の顔をじっと見た。


しばらくそうしていると、
女の顔がみるみるうちに赤く染まっていった。


「ちょ、ちょっとそんなに見ないでよ!!」


「アンタが言い出したことだろ。」


「そ、そうだけど…。

どう?

何か思い出した?」


「いや。」


「そう……。」


「もう用は済んだだろ。」


俺はまた女を無視して歩き出した。


だが、今後は腕をつかまれて行く手を阻まれた。


「いい加減うぜーよ!!」


「ご、ごめん……。」


「手。」


「?」


「触るなよ俺に。」


女の手を振り払った。


「マジ何がしてぇんだよ。」


「あ、えーと…。

そうだ!!」


「あ?」


「今日の放課後、
一緒に帰らない?」


「はい?」


バカじゃねぇの?

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