《MUMEI》 兄貴!? あの人、カインのお兄さん? 唖然としていると、 カインのお兄さんは既に俺の前に来ていた。 「すまない。」 そうして頭を下げた。 「え?」 「お前がこの国の王家の者だとは知ら無かったもんだから……。 つい失礼な行動をとってしまった。」 「い、いえ!!」 「そなたの名はクラウドと言ったな?」 「はい……。 ? どうして知って……?」 どうして知っているのだろう? するとカインのお兄さんはフッと笑うと、 「俺達を舐めてもらっちゃ困るな。」 今度はカインが笑いながらこう言った。 「俺達の種族は、 耳がとても良いんだ!!」 「へぇ……。」 「と、余談している場合じゃ無かったな。 申し遅れた。 我が名はラオス。」 「は、はい。」 「もう少し話しておきたいことがあったのだが……。 何分時間が無いのでな。」 「ごめんね! 何時でも力になるからさ!!」 そう言ってラオスとカインは再び水を纏い、 姿を消した。 前へ |次へ |
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