《MUMEI》
烈火の想い
その頃…
死神の息子、烈火は…死神と貧乏神の元へと戻っていた。


浮かぬ顔の烈火の肩を、叩き死神が、口を開く。


『二人は…想いを告げる事が、出来たようだな…』


『なあ、親父…悲は、あれで幸せなのか?俺は…納得出来ねぇよ…明日になれば…消え去る幸せだぞ…』


…そして、その幸せを消し去るのが…烈火の役目であった…


『烈火、悲自身が選んだ道だ!儂らが…口出し出来まいて…。

今…悲は幸せなんだ、それは…齋にしか、出来ぬ事だ、いくら、烈火、お前が悲を想っていてもな…。』


『ちえっ…分かってるよ、親父…。』
ふて腐れたように、踞る烈火の肩に手を置いた、死神が…

『だがな…烈火…』

言い掛けて…口を次ぐむ。若き息子に、これを聞かせるのは、まだ時期早々だと思ったのだ。変に意識して、間違った方向へいかぬとも限らん、慎重にせねば…な。


…未来、悲の夫となり支えるのは…お前しかおらぬのだぞ…

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