《MUMEI》

ガクンと肩を落とした。


蓮翔に少しでもときめいた私がバカだった。


「し、失礼ねっ!

蓮翔だってあんまり声変わってないじゃない!!」


以前よりは声は低くはなっているものの、
颯馬程ではない。

また、颯馬のことを思い出して、
ドキドキしてしまった。

「うっせぇ!!

悪かったな!

あんまり変わって無くて!!」


蓮翔はフンっと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。


そして、思い付いたようにふとこちらを向く。


「そういや、今さっき颯ちゃんに会っていたよな?」


「え?

う、うん……。」


「どうだった?

颯ちゃん……。」


「え?

どうって……。

そんな言いにくいこと言わせないでよね!」


私は顔を真っ赤にして俯いた。


「は?」


「か、かっこよかったに決まってるじゃない!!」


すると蓮翔は飽きれ気味にため息をついた。


「そう言う意味で言ってるんじゃねぇよ。」


「??」

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