《MUMEI》

「聞いてたさ。もういいだろう。気が散るから向こうに行ってくれ」

「てっめぇ‥」

礼言ったんだから

何かオマエも言い返せよな‥。

「いつまでそこに立ってるつもりだ‥?」

「‥‥‥、ぁ〜ったくやってらんねぇ!」

アタシはメガネに背中を向けて

扉に向かって歩き出した。

「‥‥‥‥‥‥‥」

何なんだよアイツ‥。

邪魔とか

気が散るとか

向こうに行けとか‥

言いたい放題言いやがって‥。

何でアタシは

あんなヤツを‥

好きになっちまったんだよ‥。

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